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高圧受電設備とは

ここからは、電力の供給において重要な役割を果たす高圧受電設備について概観し、高圧受電設備に求められるポイントと種類について説明します。

  1. 高圧受電設備(高圧配電盤)とは

    高圧受電設備(高圧配電盤)とは、火力・水力・原子力・太陽光発電所を持つ電力会社などから供給された電力を、需要家の負荷設備の仕様に合った電圧・周波数に変換し、その電力を安全・安定的に供給することを目的に設置される設備のことを言います。
    工場やビルなどの需要家は、照明や空調関連の電力はもちろんのこと、工場ラインの機器・情報通信機器・給排水などにも電力を使用しているので、高圧受電設備には特に安定的な稼動が求められます。
    昨今は省エネルギーが叫ばれていますが、電力への依存度はますます高くなる傾向にあります。
    そのような中で高圧受電設備に関しても、メンテナンス性の高さと工期短縮、省スペースを求められることから、開放形の高圧受電設備よりも後ほど説明するキュービクル式受電設備の需要が高まっています。

  2. 高圧配電盤に求められるポイント

    高圧配電盤を設計するにあたっては、安定的な電力供給ということに加え、下記のような視点から最適な機器の選定を行う必要があります。

    ①信頼性・安全性

    この項目は高圧配電盤にとって必要不可欠なものです。
    長期にわたって使用される高圧配電盤は、計画・設計時から使用環境に耐えうる高品質・高信頼性の機器を予め選択しておく必要があります。
    また、万が一の事故、例えば短絡・地絡などの事故が発生した際にも影響を最小限に留めるような対策を行なう必要があることは言うまでもありません。
    特に高電圧を扱うと人命に関わる事故に繋がる可能性も高く、そうした部分は人間が容易に触れる事ができないよう構造的な対策を採る、といったことも必要です。

    ②運用・保守性

    メンテナンスを行うにあたっては、それに必要なスペースを十分確保することが求められますが、一方で省スペースに収めなければならないというニーズも存在します。
    これを両立させるために計画・設計段階からこれらを織り込んでおく必要があります。
    特にキュービクル式高圧配電盤においては、開放形高圧配電盤よりもメンテナンススペースの面においては劣る部分がありますが、メンテナンス性を考慮した機器の配置、あるいは盤面の構成を行うことで省スペースをメンテナンス性の高さを同時に実現することが可能となります。

    ③将来計画

    高圧配電盤はもちろん必要とされる電力の容量に応じて計画・設計されますが、今後需要が増加することが見込まれる、あるいはその可能性が高い場合は、あらかじめ拡張性をもった上で設備を用意しておくことが重要です。
    キュービクル式高圧配電盤は必要な機器が箱に内蔵されているため拡張性が低いように思われますが、需要増加に対応すべくあらかじめ機器を搭載するスペースを確保することはもちろん可能です。
    なお、開放形高圧配電盤は拡張性が高いものとなりますが、やはりこの開放形において設置スペースが無限にあるわけではなく、計画性のない拡張はコスト増大にも繋がりますので考えうる範囲で将来の増設や更新が容易にできるようにしておくべきです。

    ④環境配慮・高調波対策

    高圧配電盤には騒音や振動を発生する機器も存在するので、周囲環境を考慮した上で防音などの対策を講じる必要があります。また、状況によってはインバータ等から発生する高調波についても、「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」(平成6年10月3日 6資公部第379号)に基づいて対策を講じる必要があります。

    ⑤経済性

    高圧配電盤は安全性・信頼性が高いことが要求されることは言うまではありませんが、同時に経済性・コスト面も重視されます。

    経済性は大きくイニシャルコストとランニングコストに分けられますが、イニシャルコストについては機器の購入価格の他、設置費用・配線の引き込み等工事による人工代などが発生するので、経済性を測定する場合は、単に機器の購入価格で比較するのではなく、設置費用やランニングコストも考慮し、長期稼動を前提として最適な方式の高圧配電盤を選定する必要があります。